DTMにおけるパラアウトとは?
パラアウトの必要性
パラアウトの必要性ですが、こちらはマストではありません。
パラアウトしなくても、十分立派なドラムトラックや、シンセトラックは作れます。
もし、すでに完成している曲があったとして、一部トラックをパラアウトしたからと言って曲が良くなるものではありませんのであしからず。
もともとドラムソフトなどは、ソフト内にミキサーが組み込まれていて、そこで各パーツの音量調整を行います。
そしていい感じに仕上がったものを、メインの出力からキューベースのVSTインストゥルメントトラックに送り音を出しています。
このソフト内で、音作り・フェーダーバランスをとることも大体は可能なので、パラアウトは必須ではありません。
が、実際にミックスを行うときは、Cubaseのミキサー画面で編集することがほとんどです。
また、
- キックの音は1176のコンプでつぶして迫力を出したい
- スネアの音はリバーブトラックにセンドして、響かせたい
といった、各パーツごとにエフェクトをかけたくなるのがDTMerです。
この際にパラアウトしていると、調整の自由度が高く結果的に、思い通りの音作りが行いやすくなるのです。
パラアウトの設定方法
こちらの設定方法ですが、厳密にいえばソフトごとに少し違くなってきます。
原理は同じですが、設定箇所がソフトによって違うので、そこを見つけるのが肝と言っていいでしょう。
ここでは簡単に設定の原理的なことを解説したいと思います。
この原理を覚えておけば、
- パラアウトするには何を設定していけばいいのか?
- 自分がいま行ってる設定は何のために行っているのか?
- 音が出ない場合の原因は何なのか?
といったことがわかるようになると思います。
パラアウト設定の流れ
パラアウト設定に必要な工程は
- ソフト側で各パーツの出力先を設定
(出力先1や出力先2といった感じになります) - VSTインストゥルメントトラックの出力BUSを必要な分だけ追加
(この追加はソフトによっては自動で行われます)
以上です!
仕組み自体はとってもシンプルですね!
上記図の、赤四角内を設定してやります。
【例】Cubase内蔵のGroove Agent SEの場合
Cubaseに内蔵されているGroove Agent SEの場合の設定方法を見てみましょう。
【Groove Agent SEとは?】
Cubaseに内蔵されているドラム専用音源です。
様々なジャンルのドラムプリセットを内蔵。
直感的に操作できるインターフェイスで、初心者の方でも簡単にリアルなドラムトラックが作成可能です。
【Groove Agent SEの出力先設定】
.プリセットを読み込むと各パット(MIDI)にそれぞれの音色が読み込まれます。
(キックやハット等)
それぞれのパットを選択①した状態で、右画面を「EDIT」の画面②にします。
右画面下部に出力先設定項目があるので、そこを選択して任意の出力パスを設定③しましょう。
ここで例えば、キックの出力先を「Out2」にするとします。
すると、以降はキック音の出力先が、Cubase上の「Out2」というトラックから出力されるようになります。
Groove Agent SEのいいところは、ここで出力先を設定すると、自動的に「Out2」トラックが作られるので、
後はミキサー画面を覗くと「Out2」のトラックがパットの名称(KickやHHT)として出来上がっています。
手動で行うCubase上の出力トラックの追加
Groove Agent SEは自動的にCubase上で出力トラックを作成してくれるのでいいのですが、全てのソフトがそのような新設設計ではありません。
そういった場合は自分で出力先のトラックを増やしてあげる必要があります。
そのような場合はまず、VSTインストゥルメント設定画面を開きます。
(これはF11キーか、画面上部メニュー>スタジオタブ>VSTインストゥルメント」でもOKです。
するとこのように、現在インサートされているVSTインストゥルメントが一覧で表示されます。
そのリストから、出力先を増やしたいVSTインストゥルメントを選択しましょう。
そしたら、選んでVSTインストゥルメントの右上に窓から右に向けて矢印が出ているアイコンがあります。
そこをクリックして、自分の好きなように出力先を増やしてあげましょう。
以上の流れで基本的なパラアウトの設定方法は終わりとなります。
今回はGroove Agent SEを例にして説明しましたが、仕組みはどのソフトでも変わりません。
是非作業のしやすい環境を作って、気持ちよく作曲してくださいね!