Cubaseに付属しているピッチ修正ソフト「Vari Audio」は意外と優秀なので使い方を覚えておこう!
巷ではいろいろなピッチ修正ソフトがありますね。
- Auto-Tune(有料)
- Melodyne(有料)
- Waves-Tune(有料)
- VariAudio(無料:DAW付属)
- FlexPitch(無料:DAW付属)
有料のピッチ補正ソフトを使えばやれることも増えたりしますが、その仕上がりがどのレベルになるかは正直使う人の腕と根気によります。
最も有名なMelodyne(有料)ですが、確かに出来ることは多いです。
ピッチ修正の他、タイミングの自動修正なんかもあってボーカルトラックの修正にはもってこいのプラグインだと思います。
ただし有料ソフトの中でも、安くはないんですよねこのソフト。
(セールとかで見つけて激安で買えるならいいんですけどね)
逆にCubase純正で付属しているピッチ編集機能Vari Audioはいかがなのか?
実はVari Audioって有料ソフトに負けないくらい、使い勝手がよくて優秀なソフトなのです。
Vari Audioでボーカルを修正してみた
特に、冒頭の「おおきなのっぽのふるどけい」や「ひゃくねんいつもうごいていた」の部分のピッチずれが耳につきます。
(その他も全体的に怪しいです)
【ボーカル原音】
それでは上記を踏まえて全体的にピッチを修正してみました。
【ボーカル修正後】
いかがでしょうか?
大分音程が安定しましたね。
Cubase純正のピッチ修正ソフト(Vari Audio)でもこのくらいなら簡単にできてしまうのです。
Vari Audioの使い方
Vari Audioの編集に関して大まかな流れは下記です。
- 編集するデータの選択
- Vari Audio編集の有効化
- MIDIリファレンスの読み込み←超絶便利機能
- 必要に応じて編集音の細分化
- ピッチ・カーブ・タイミング・フォルマントの編集
といった流れになります。
公式のヘルプも載せておきますね。
聞き慣れない言葉もあるかと思うので、ざっくり下に解説表作ってみました。
MIDIリファレンス | MIDIで作成した主旋律データ。これを表示しながらピッチ修正が出来るのであると楽です。 |
ピッチ | 俗にいう「音程」というものです。Vari Audioでは微細なピッチから大幅な音程変更まで可能です。 |
カーブ | 声のゆれを調整します。わかりやすく言うとビブラートや音程の揺れを平坦化できます。 |
タイミング | その名のとおりです。もう少し早く発音してほしいとか、逆にためて欲しいとかを自分で調整できます。 |
フォルマント | 声質の調整です。チェストボイスかヘッドボイスかを調整できます。電子音みたいな声にも変化できます。 |
それでは順を追って使い方を解説していきます。
1.編集するデータの選択
まずは編集したいボーカルのオーディオデータダブルクリックして選択しましょう。
※メロダインとかと違いプラグインではないので、インサートプラグインを挿入する必要はありません。
2.Vari Audio編集の有効化
するとオーディオデータの編集画面が現れるはずです。
左の項目から「Vari Audio」を選択してください。
その中に「Vari Audioを編集」という項目がありますので、紙ヒコーキみたいなボタンを押すといよいよ編集が出来るようになります。
このようにオーディオデータの読み込みが開始され、完了すると編集できるように各音が色付けされます。
3.MIDIリファレンスの読み込み
Vari Audioを有効化出来たらすぐにでもピッチ編集が可能なのですが、もしもMIDIで主旋律のデータがある方は是非読み込ませましょう。
※主旋律から作曲する方は大体「主旋律用のトラック」をデータで作ってると思われます。
まずはVari Audio画面の左メニュー欄、「MIDIリファレンス無し」と書いてあるところをクリックします。
するとどのMIDIデータを取り込むのか選択できるようになるので、参考にしたいMIDIデータを選択しましょう。
するとVari Audioの画面にMIDIデータが表示されるようになります。
実際に修正する際はこのMIDIデータに沿うようにすればいいだけです。
4.必要に応じて編集音の細分化
何故細分化という作業が必要なのか?
この作業は必要に応じて行う作業なのですが、Vari Audioで読み込んだデータは完ぺきではありません。
例えば「あい」という二つの言葉を一つの音として認識してしまったりします。
そのようだと細かなピッチの編集が出来ません。
なのでまずは間違って読み込まれてしまった箇所を、細かく分けてあげる必要があります。
※このトラブルは基本的にどのピッチ編集ソフトを使っても起こりえることです。
実際の細分化作業方法
これはすごく簡単です。
イメージとしてははさみで切り離したいところをスパッと切るだけです!
切りたい箇所の下側にカーソルを持っていくと自動的にはさみになるので、そこでカットするだけです。
ただ「切りたい箇所の下側」というのが、意外と選択しにくいので、「Alt」ボタンを使ったはさみモードをお勧めします。
「Alt」ボタンを押すと常にはさみモードになるので、切るのが楽ですよ!
5.ピッチ・カーブ・タイミング・フォルマントの編集
ピッチの修正
基本的には変種したい箇所をドラッグするだけの間隔操作です。
通常はスナップが聞いてしまうので、微調整が聞かないのですが、Shiftボタンを押すことにより自由調整が聞くようになります。
バー下の■ボタンを動かしても調整可能です。
また調整したい箇所を選択した状態で、左のメニューからもまとめて調整が出来ます。
全体をざっくり調整する場合に便利です。
ここで注意なのですがボーカルはあくまで人が歌うから味が出るものです。100%ピッチがあってることが良いボーカルではありません。
自分が聞いておかしいなと思うところを重点的に処理していくくらいにとどめましょう。
注意
- 微調整はShiftボタンを押しながら行おう
- ピッチのズレも味となる。やりすぎ注意!
カーブの編集
基本的にはピッチの編集方法とあまり変わりません。
カーブの編集の場合は、バー上の■を動かすか、左メニューから調整するかです。
タイミングの修正
タイミングの修正もほぼ同じような感じです。
選択したら左右の■をドラッグしましょう。
フォルマントの修正
フォルマントの修正は左メニューから行います。
波形ごとの編集なので、まずは波形を選択し、その後スライダーを調整します。
フォルマントに関しては
- 右(プラス)に動かすとヘッドボイス(高い音の響き)
- 左(マイナス)に動かすとチェストボイス(低い音の響き)
に変化します。
フォルマントは音の変化が激しいのでやりすぎ注意です!
まとめ
いかがでしょうか?
Vari AudioはCubase純正の機能として盛り込まれているだけあって操作がかなり簡単になっています。
また動きもきびきびと動き、操作せいも悪くありません。
有料のソフトを入れる前に、Vari Audioが入っている方はこちらのソフトを使ってみることをおすすめします。
注意ポイント
Cubase10まではPRO版にしか入っていない機能です。
Cubase11からArtistとPRO版に実装されております。