017_ノーマライズとは_Cubaseで始めるDTM
DTMを行う上で避けては通れない問題。
「音圧」問題
なかなか音圧が稼げずに自分の作った曲にがっかりする方も多いのではないでしょうか?
そんな方たちが一度はたどり着く「ノーマライズ」
まず結論から申し上げると、ノーマライズと音圧はあまり関係がないと言えます。
何故ならノーマライズとは波形の形をいじることが全くないからです。
ノーマライズとは
「そのトラックがゆがまない程度に最大音量まで波形を拡大してくれる機能」
です。
ノーマライズの設定はどこにある?
ノーマライズは
「上タブ内、Audio>処理>ノーマライズ」
にあります。
ノーマライズの様子と波形のイメージ
ノーマライズとは実際どのようなことを行っているか?
その正体はある意味「フェーダー操作」です。
下記図を見てください。
[ノーマライズ前]
こちらはノーマライズを施す前の波形です。
[ノーマライズ後]
そしてこちらがノーマライズを施した後の波形です。
波形が大きくなって、音に迫力が出て聞こえますね。
しかしこれ実は波形の形を変えたわけではなく、大きさを拡大しただけ(音量を大きくしただけ)なのです。
どういうことかというと、トラック中で一番大きな音が「任意の大きさ [例えば-0.1db] 」になるよう、波形の形を調整しています。
「音圧を上げること=波形を拡大すること」では無い!
ノーマライズを使おうと思った方は恐らく
- 「音圧が低い」
- 「音が小さくて聞こえない音がある」
- 「迫力のある音にしたい」
といった悩みから、ネットで検索しノーマライズという機能にたどり着くと思います。
先述でも述べましたが、ノーマライズは波形の形を大きくしただけなので実際のところその場での音量は大きくなりますが、最終的なミックスでは音を大きくすることができません。
下記はノーマライズの動作イメージと、フェーダー操作のイメージです。
[ノーマライズの様子]
[フェーダー操作の図]
上記の様にノーマライズしてもフェーダー操作しても波形の密度は変わらないので、このままでは特別な効果は特にないと言っていいでしょう。
ではどのようなときにノーマライズを使うのでしょうか?
ノーマライズの使い方と使うとき
ノーマライズですが、はっきりと言ってしまうとあまり使う機会はないと思います。
強いて言うなら
各トラックごとの音量差を少なくする目的で一律同じ設定でかける
例えばこのような4つのトラックがあったとします。
見てわかる通り波形の大きさがかなりバラバラですね。
このようなトラックを聴感上同じ音量にすると、各フェーダーは下記図の様になります。
一見すると同じくらいの音量でそろえてるようには見えませんね。
しかしここで波形をノーマライズして大きさを統一化してあげると
このように瞬時に各トラックの波形の大きさを同じように揃えることができます。
するとフェーダーのバランスも
このぐらいのバランスで、全てが同じくらいに聞こえるようになりました。
こうすることで、視覚的にどのパートがどのくらいの音量でそれぞれミックスされるかわかるようになります。
しかしあくまで波形の最大部分を基準に指定した音量まで拡大するので、波形の一部が突出しているとほとんど拡大されません。
上記は特にボーカルなどに多い波形です。(ブレス等が極端に大きくなっている)
ミックス済みの曲を音割れしない最大音量まで底上げする。
これは例えばボーカルを入れる前のインストや、ストリーミング音源データを扱ったりする時ですね。
(ストリーミング音源は音割れ防止の観点から-1~-3dbほどあえて波形を小さくしたりしています)
曲自体はほぼコンプで余計な突出した波形もなくなって、あとは波形を拡大すればそれなりの音量になる前提です。
自分の細かくフェーダーをいじるより、ノーマライズに任せてクリップしないぎりぎりまで波形を拡大してもらえば完了です。
ノーマライズのまとめ
以上の様に大した使い道は思いつきませんでした。
少なくとも私は楽曲製作中にノーマライズを使用することはほぼありません。
強いて言うなら外部から取り込んだ音源の音量を改めて最大化するときに使うくらいです。
あれば役に立つときがあるけど、なくてもさほど困る機能ではない気がします。
ひとこと言えるのは、「ノーマライズは直接音圧に作用することはない」ということですね!