Cubaseには様々なトラックが用意されている
Cubaseには様々なトラックの種類が用意されています。
- Audio トラック
- MIDIトラック
- グループトラック(バストラック)
- マーカートラック
- Etc・・・・・・・・
今回はその中でも上級者は使っているテクニック。
[グループトラック(バストラック)]について説明していきます。
グループトラック(バストラック)とは?
グループトラック(バストラック)とは一体何でしょうか?
これは
「複数のトラックをまとめた出力トラック」
を意味しています。
ステレオアウトも一種のグループトラック(バストラック)である
まずは一例としてStereoOutトラック(マスタートラック)で説明していきます。
皆さん、楽曲を作り終わった後、マスタートラックでEQ・コンプ・マキシマイザー等をかけますよね。
あれって、すべての音が入っていて、そのすべてにエフェクトが反映されていると思うのですが、あの仕組みこそグループトラック(バストラック)なのです。
グループトラック(バストラック)の仕組み
通常のトラックでは、トラックごとにエフェクトをかけて音を作りこんでいきます。
なのでコンプをかけるのも、EQをかけるのも各トラック分インサートしなければいけません。
もちろんこれは、各トラックごとに音色をつくる上で必要な工程です。
対してグループトラックでは
このように複数のトラックを一つにまとめてエフェクトをかけることが出来ます。
これの利点としては、「まとめて同じエフェクトで処理できる」点にあります。
どんな時にグループトラックを使うのか?
これはあるセクションが固まったときに、セクション単位で調整をするのに使用します。
例えば
- ドラムセット
- ストリングスセクション
- ギターセクション
- ボーカルセクション
等が挙げられます。
楽曲構成は小さいグループから作りこんでいく
このグループトラック(バストラック)を理解するには、曲全体の構成を考える必要があります。
私が思うに曲全体の理想的な構成は
- 個別の楽器の音量・音色が調整される
- 類似楽器ごとに音量・音色が調整される←(グループトラック)
- 全体の音量・音色が調整される←(マスタートラック)
なのかなと思っています。
図で表すとこういうことですね。
この図の様に、各セクションごとの音量・エフェクトをまとめて調整するのがグループトラック(バストラック)の役目です。
グループトラックの利点
グループトラックを用いることの利点としては
- セクションごとにまとめて音量を調整できるので、バランスが崩壊しにくい
- コンプをかけた際に同じ臨場にいるような効果が得られる(グルーコンプ)
があります。
1.セクションごとのバランスが崩壊しにくい
これは先ほどの図解でもわかりますが、一番細かく音量を調整しなければいけないのは各個別のトラックです。
例えば、ドラムトラックだったら
- ハイハット x1
- キック x1
- タム x4
- スネア x1
- シンバル x2
- アンビエント x1
合計すると、10個の音量が調整されてドラムキットとして成立します。
当然それぞれのPAN・音量バランスをとるのは時間がかかりますよね。
さて、楽曲製作中に音量の調整は何回くらい行うでしょうか?
もしもグループトラックを設定していない場合、このシビアな音量調整を毎度行わなければいけません。
ものすごい労力ですよね?
しかもすこし気が抜けると、せっかく作った最適なバランスが崩れてしまいます。
対して、グループトラックで、1つのトラックにまとめておけばバランスが崩れることなく、調整は一回です。
これがまず一つ目の利点です。
2.グルーコンプ効果を得ることが出来る
「グルーコンプ」という言葉が初めて出てきました。
これは「トラック間のばらつきを抑えてまとまりを出す」ことを目的としたコンプの使い方です。
詳しくは割愛しますが、トラックをまとめたセクション単位に、適切なコンプレッションをかけてあげると音に一体感が生まれます。
やりすぎると逆に、分離感がなくなって平たい印象になるのでちゅういですが、これも上級者の上等テクです。
グループトラック(バストラック)はとても便利
いかがでしたか?
グループトラックの便利さと必要性は、かなり高いと思います。
楽曲をMIXするうえで大切なことは、常にプロジェクト内容を整理整頓しながら、1つ1つの工程をきっちり処理していくことが肝心です。
ある意味ルーティン作業に近いような感覚でしょうか。
上記の構造で楽曲を作っていくなら、無くてはならないトラックですので是非使っていってくださいね!