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046_ロジカルエディターとは?(ヒューマナイズや裏拍だけ選択する等タイミング調整にも使える)_Cubaseで始めるDTM

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まるでAIのような機能、ロジカルエディター

ケイ
本日は少しマニアックな小技「ロジカルエディター」についてご説明していきたいと思います。
ロジカルエディター?申し訳ございません。私は初耳です。
ナンデ
ケイ
あまりみんなが手を出す機能ではないですからね(笑)
ケイ
でもこれを覚えておくと、この先もずっと役に立つ便利機能なのでぜひ覚えてもらいたいです!
そうなんですか・・・。何となく私と相性良さそうな名前なので、頑張って覚えたいと思います。
ナンデ
ケイ
はい♪是非身に着けてください!

 

ロジカルエディターとはどんな機能なのか?

ロジカルエディターとは、簡単に言うと

「MIDIデータを自動で一括編集してくれる機能」

です。(慣れてくると超絶便利な機能です)

 

例えば、小節頭のキックのみ選択し、まとめて編集することが出来る機能です。

 

【例】こちらのドラムデータから、小節頭のキックのみ選択する場合は

 

下記のようなフィルターを自分で作成してあげると、ワンクリックで全て選択してくれます。

【フィルター内容説明】

  1. 第1条件_C1ノートに等しいかつ
  2. 第2条件_小節頭の部分のみ
  3. 実行機能_選択のみ

これは現在選択しているMIDIデータのみが検索・摘出対象となります。

逆に裏拍のキックのみ自動で選択して、音量・タイミングを調整したりすることもできます。

 

ロジカルエディター画面の見方

ロジカルエディターの画面をざっくり説明すると

  1. 上半分が「検索条件」設定エリア
  2. 下半分が「実行内容」設定エリア
  3. 検索・実行についての条件設定項目が「大区分・中区分・詳細」で分かれてる
  4. 条件のつなぎ方(AndかOr)を設定
  5. 適用ボタンを押した際の機能の選択

みたいな構成になっています。

 

 

この画面はすぐに見慣れるのですが、問題は各項目の条件設定がユーザーにとってわかりにくい設計になっています。

例えば大区分で選べる「値1」という項目があるのですが、こちらはタイプで選んだ条件についての設定項目になっています。
(キックが入力されている「C1」のみ選びたい時は、まずタイプで「ノート」を選択し、値1を追加すると「ピッチ」となるのでC1を追記します。)

 

もしもタイプで「コントローラー」を選ぶと、値1は「MIDIコントロール番号」に変化します。

 

このように、自分が使いたい検索種類は、なんという名前で登録されているのか知らないと使えません。

(便利な機能なのに、なんでこんな使いにくいパラメーター名になっているか不思議です)

この項目名については後ほど詳しく説明していきます。

 

ロジカルエディターで出来ることの一例

ロジカルエディターは様々なフィルター、実行機能を自分で設定するので出来ることは多岐にわたります。

そんな中でも、普段の作業で役立つような使い方を紹介していきます。

機能 どんな時に使えるか
指定拍のみ選択 ある一定のグルーブ感を与えたい時に使えます。
指定ノート(C0とかD#1とか) ドラムトラックの一括調整に使えます。その他ミストーンの検出にも使えます。
指定拍+タイミングの微調整(ランダムで±数ms移動) タイミング微調整に使えます。人間らしさを出すためにわざとずらすときにはもってこいです。
一定の音量以下・以上のノート選択 手で弾いたときに、強すぎた・弱すぎたノートを一括で編集することが出来ます。
全てを指定長さの音符に変換 ドラム打ち込み等で、MIDIデータを見やすくする
ベロシティのヒューマナイズ(超おすすめ) ベロシティにランダムで大小の差をつけて、あたかも人が演奏したかのようなニュアンスを付ける

 

後ほどロジカルエディターの細かい設定方法をご説明しますが、先に超おすすめの「ベロシティヒューマナイズ」について、実例をご紹介します。

 

ピアノに限らず全ての楽器に当てはまることですが、人間が演奏を行った際に全て(タイミング・ベロシティ等)が一本調子になることはあり得ません。

つまりリアルな演奏感を求めるならば、上記(タイミング・ベロシティ等)の細かい調整が必要になってきます。

 

実際に演奏できるならば、それをそのまま録音すれば済む話なのですが、実際にはなかなか全ての楽器を演奏出来ないのが現状でしょう。

そこで少しでも楽にヒューマナイズするために、ロジカルエディターを使います。

 

ベロシティのヒューマナイズ

実際にヒューマナイズを行った違いをお聞きください。

 

【ヒューマナイズ前(ベロシティ100で固定】

 

 

 

【ヒューマナイズ後(ベロシティランダム】

 

 

 

上記のような細かい編集が一瞬で出来るのが、ロジカルエディターの魅力の一つです。

ちなみに設定項目は下記の様になっています。

【フィルター内容説明】

  1. 第1条件_ノートのみ対象
  2. 実行機能_値2(ベロシティを意味します)を-8~+10ランダムで増減

ここから更に応用技として、裏拍にアクセントが来るように調整してみました。

 

 

 

設定項目はこちらです。

【フィルター内容説明】

  1. 第1条件_ノートのみ対象かつ
  2. 第2条件_1小節を16分で譜割りした際の5分目
  3. 第3条件_1小節を16分で譜割りした際の13分目
  4. 実行機能_値2(ベロシティを意味します)を95~115のランダム値に変換

といった感じです。

 

設定項目のパラメーター名称説明

ロジカルエディターではパラメーターの名前が不親切なので、まずはここをリスト化しておきます。

大区分パラメーター(フィルター対象)

パラメーター名称 実際の内容
ポジション 位置を対象とします。曲全体のどことか、小節内のどこら辺とか指定できます。

特定の位置で開始する要素を探す (steinberg.help)

長さ MIDIノートの長さを対象として扱います。

特定の長さのノートを探す (steinberg.help)

値1 タイプで選んだ項目に依存します。ピッチやベロシティが反映される項目です。

「値 1 (Value 1)」と「値 2 (Value 2)」 (steinberg.help)

値2 タイプで選んだ項目に依存します。ピッチやベロシティが反映される項目です。

「値 1 (Value 1)」と「値 2 (Value 2)」 (steinberg.help)

チャンネル 通常あまり使用しません。詳しくは本家で見てみてください。

MIDI チャンネルで探す (steinberg.help)

タイプ MIDIノートや、ピッチベンド、CC等を選ぶことが出来ます。通常は「ノート」を使うことが大半だと思います。

要素のタイプで探す (steinberg.help)

プロパティー ミュートイベントとかを選べます。あんまり使わないです。

プロパティー (属性) で探す (steinberg.help)

値3 タイプで選んだ項目に依存しますが、ほとんど使わない気がします。
最近のイベント 文字通りなのかもしれませんが、謎です。使う機会あまりないと思います。

イベントのコンテキストで探す (steinberg.help)

Context Variable ピッチ・ベロシティ・CCの最大値・最小値・平均値等をもとに検索をかけることが出来ます。

またコードの構成音について検索できます(m3とかルートノートとか)

コードを検索する (steinberg.help)

 

うーん・・・・複雑ですね・・・・。

 

タイプ別の値1・値2の項目内容

パラメーター名称 値1 値2
ノート ピッチ(C-2~G8) ベロシティー(0~127)
ポリプレッシャー 押さえられるキー キーに対して加えられたプレッシャー量
コントローラー MIDIコントロール番号 MIDIコントロールチェンジの値
プログラムチェンジ プログラムチェンジナンバー 使用しません。
アフタータッチ キー全体に対して加えられたプレッシャー量
(私も意味わかりません)
使用しません。
ピッチベンド ピッチベンドのファインチューン?とのこと。よくわかりません。 ピッチの変化量(0~127)。63を正ピッチとし、127で全音上。0で全音下になります。
SysEx 不明。多分使うことないと思います。 不明。多分使うことないと思います。
SMFイベント 不明。多分使うことないと思います。 不明。多分使うことないと思います。
VST3 イベント 使用しません。 公式読んだが不明。多分使うことないと思います。

 

一応公式説明リンク貼っておきます。

「値 1 (Value 1)」と「値 2 (Value 2)」 (steinberg.help)

 

ロジカルエディターを実行した際の挙動実例

ロジカルエディターの適用方法としては、大きく分けて3種類の使い方があります。

  1. 自分で選んだMIDIデータのみ、変化を加える方法
    ※この場合、画面上部の「フィルターを用いた検索機能」は使用しません。
  2. MIDIデータをフィルターを用いて、選択する
  3. 検索・適用まで全てロジカルエディター上で行う

なんだかんだで使う頻度が多いのは、1と2の方法です。

 

1.自分でMIDIを選択し、変化を加える

 

2.MIDIデータをフィルターを用いて、選択する

 

ロジカルエディターを使う際のコツ

上記までの説明で、大体ロジカルエディターが使えるはずです。

実行項目は結果がわかりやすいので、イメージ付くのですが、慣れが必要なのは検索項目だと思います。

フィルターを作成する際は頭の中で

  1. 第1条件が○○なのは絶対譲れない!(接続詞はAnd)
  2. 第2条件としては○○か(接続詞はOr)
  3. 第3条件として○○が含まれること

の様に、日本語で丁寧に文章を作っていくことが大切です。

※エクセルのフィルター検索機能に似ていますね。

 

 

是非使いこなして時短を目指しましょう!

 

  • この記事を書いた人

ケイ

作曲・編曲・作詞等マルチクリエーター 初心者の「わからない」「出来ない」を 解決する手助けをしたいと考えています。 楽しいDTM生活を送りましょう。

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